
はじめに
不動産投資を成功させるためには「物件選び」と並んで「資金調達」が非常に重要です。その鍵を握るのが、どの金融機関を選ぶか、そしていかに有利な条件で融資を引き出すかにかかっています。
今回は、銀行マンとの裏話を交えつつ、金融機関の選び方と、現場で実際に使われているちょっとズルい交渉術について解説します。
なぜ金融機関選びが重要なのか?
金融機関によって、以下の条件が大きく異なります。
• 融資金利(1.5%〜4.0%など)
• 返済年数(15年〜35年)
• 審査の厳しさ(年収要件、資産背景など)
• 物件の評価方法(土地値重視か、収益重視か)
同じ物件でも、金融機関Aでは「融資不可」でも、金融機関Bでは「フルローンOK」になるケースも多々あります。
金融機関の選び方:タイプ別攻略法
地方銀行・信用金庫
• 地元密着型で、エリアや人間関係を重視
• 担保力が高い物件に強い
• 法人設立後の実績が浅くても融資されることがある
おすすめ活用法:既存の資産や担保を活かして借り入れしたい場合に有利。
メガバンク(三菱UFJ・三井住友など)
• 信用力や実績が高い投資家向け
• ハードルは高いが、条件は良い(金利1%台など)
• 法人・個人の与信が共に見られる
おすすめ活用法:規模拡大時や長期投資に有利。
ノンバンク(オリックス、アプラスなど)
• 審査が緩くスピード感がある
• 金利が高め(2.5~4.5%)
• フルローンやオーバーローンにも柔軟
おすすめ活用法:初回投資やスピード勝負で買い付けたいときに。
銀行マンが教えてくれた「ズルい交渉術」3選
①「他行からも融資内諾を受けている」と伝える
銀行は競合を意識します。実際には検討段階でも、「他行で内諾をもらっているが、○○銀行さんの条件次第で考え直したい」と伝えると、金利や返済年数の緩和を引き出せることがあります。
ポイント:あくまで「条件を揃えたら貴行にお願いしたい」という姿勢を忘れずに。
②「事業計画書」を見せて先回り
銀行担当者は稟議書を作成するため、完成度の高い事業計画書があると喜ばれます。収支シミュレーションや出口戦略まで明確に記載しておくと、担当者の手間も減り、通過率が上がります。
裏技:物件の写真や周辺の賃料相場も添付しておくと効果抜群。
③「将来の拡大計画」を共有する
銀行は「将来性のある顧客」を大切にします。1件で終わるつもりでも「将来的に3棟目までは考えている」などのビジョンを共有すると、長期的に付き合いたい顧客として優遇されやすくなります。
融資を通すためにやっておきたい準備
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| クレジットスコア | 過去の支払い遅延がないか、信用情報をチェック |
| 年収証明 | 給与明細や源泉徴収票を用意 |
| 資産状況 | 預金・保有資産・借入状況を整理 |
| 法人設立書類 | 会社経営の場合は登記簿謄本や決算書 |
チェックリストを事前に用意しておくことで、面談もスムーズに進みます。
まとめ:資金調達は交渉力が鍵!
不動産投資の成否は、「どの物件を買うか」よりも「どの条件で買えるか」で決まると言っても過言ではありません。金融機関選びは「相性」です。そして、その関係性を築くために必要なのが“戦略的な交渉”です。
今回紹介した交渉術や金融機関選定の知識を活かし、あなたの不動産投資を一歩先へ進めてみてください。

不動産業界に25年以上在籍。多くの不動産投資の問題を解決してきた、猫と温泉をこよなく愛する東京在住47歳。
