不動産投資において最大のリスクのひとつが「空室」です。せっかく立地や価格で優良物件を手に入れても、入居者が決まらなければキャッシュフローは赤字になり、ローン返済や維持管理費に苦しむことになります。実際、収益不動産のオーナーが最も頭を悩ませるのが「空室率の高さ」と言われています。
しかし、空室率を下げることは不可能ではありません。本記事では、実際に成果を上げてきた現場のプロの知見から、「空室率を改善するたった5つの施策」を紹介します。どれも実行可能であり、かつ即効性も期待できます。不動産投資家として長期的に安定収入を築くために、ぜひ参考にしてください。
1. ターゲットを明確にした物件改善
空室を埋める第一歩は、「どんな人に住んでもらいたいのか」を明確にすることです。ファミリー層、単身者、高齢者、学生、外国人など、ターゲット層によって求める設備や間取り、周辺環境が異なります。
例えば、単身者向けの物件なら高速Wi-Fi、宅配ボックス、駅近が重視されます。一方、ファミリー層であれば、保育園や学校、公園の近さ、防音性、収納力などが重視されます。
物件の立地・間取り・家賃相場から最適なターゲットを定め、それに合ったリフォームや設備投資を行うことで、空室率は劇的に改善されます。
2. 家賃設定の見直しと柔軟なキャンペーン
「このエリアでこの家賃は高すぎる」──こうした理由で入居者が集まらないケースは多いです。周辺物件と比較し、競争力のある価格設定にすることは基本中の基本です。
さらに、以下のような柔軟なキャンペーンを検討しましょう：
• フリーレント1ヶ月（最初の1ヶ月家賃無料）
• 敷金・礼金ゼロ
• 家電付きプラン
• 仲介業者への広告料（AD）の見直し
短期的な収入減はあっても、長期的な空室解消による安定収入が結果的に収益を最大化します。
3. 内見で「選ばれる」ための印象改善
「内見＝第一印象」です。どんなにスペックの高い物件でも、玄関が汚れていたり、照明が暗かったりすれば印象は悪くなります。
内見時に「ここに住みたい」と思わせる工夫は意外と簡単です：
• 玄関・水回りを清潔に保つ
• 照明をLEDに変え明るく見せる
• アクセントクロスでおしゃれ感を演出
• 生活感のある家具や雑貨を仮設置してモデルルーム化
たったこれだけでも、「印象勝負」の内見で勝ちやすくなります。
4. 管理会社・仲介会社との連携強化
空室を埋めるためには、入居希望者と最初に接点を持つ「仲介会社」の協力が不可欠です。物件を優先的に紹介してもらうためにも、管理会社との連携強化が重要になります。
オーナーとしてできること：
• 定期的に仲介会社を訪問し、物件の魅力を直接アピール
• 募集図面（マイソク）を最新情報に更新
• 写真をプロに依頼し、魅力的に演出
• 成約時の報酬（AD）を一時的に増額
仲介会社との関係性を強化することが、空室改善への近道です。
5. Web・SNSによる自力集客の導入
現在、入居者の約7割がネット検索を通じて物件を探していると言われています。つまり、オーナー自身が情報発信を行うことで、仲介業者任せにしない集客も可能なのです。
活用例：
• InstagramやX（旧Twitter）でリノベ事例を発信
• 物件の専用ページをブログで作成
• SUUMOやホームズに掲載されている情報をチェックし、自らも投稿依頼
特にターゲットが若年層であれば、SNSでの発信は効果大です。コストをかけずに空室対策ができる強力な手段です。
まとめ：空室率は「工夫」と「行動」で必ず改善できる
空室率が高いというのは、決して物件そのものの価値が低いとは限りません。多くの場合、「ターゲットのズレ」「家賃設定の甘さ」「情報発信の不足」など、オーナー側の工夫や行動で改善可能です。
今回ご紹介した「たった5つの施策」は、どれも再現性が高く、実行しやすい内容です。現状の空室問題にお悩みの方は、まず1つでも行動を起こしてみてください。不動産投資は、工夫と努力を惜しまない人にこそ、リターンをもたらします。
不動産業界に25年以上在籍。多くの不動産投資の問題を解決してきた、猫と温泉をこよなく愛する東京在住47歳。