~感情ではなく「手順」で対処する!プロが教える解決ステップ~

不動産投資において、家賃の滞納は避けて通れないリスクの一つです。順調に家賃収入を得ていたはずが、ある日突然「入金がない」と気づいた時の不安、焦り、そしてストレス。多くのオーナー様が「どう対応すればいいか分からない」と悩まれます。
このコラムでは、不動産投資の現場で実際に活用されている家賃滞納への正しい対応ステップを、事例も交えながらご紹介します。
なぜ家賃滞納が起こるのか?原因の理解がスタート地点
まず、家賃滞納の背景には様々な要因があります。
主な原因
• 一時的な資金難(転職・病気・事故など)
• 入居者のモラル・計画性の欠如
• 保証人や保証会社が形骸化している
• 連絡がつかない(夜逃げ、居留守)
原因の違いによって対応方法も変わってきます。重要なのは「感情的に対応しない」こと。冷静に、法的根拠に基づいた対応手順を取ることが何よりも大切です。
家賃滞納が発生したときの【正しい対応ステップ】
ステップ①:まずは事実確認と丁寧な連絡
1~3日程度の遅れなら「うっかり忘れていた」ケースも多いため、まずは以下のような柔らかいトーンで連絡しましょう。
【文章例】
〇〇様
いつもありがとうございます。〇月分の家賃のご入金がまだ確認できておりません。何かご事情がある場合はご相談くださいませ。
※ 電話がつながらない場合は、SMS、メール、書面(普通郵便)での多重連絡が有効です。
ステップ②:書面による督促と記録の保存
それでも反応がない、あるいは支払いがない場合は、「督促状」や「催告書」を送付します。
• 内容:滞納金額・支払期日・連絡先
• 方法:普通郵便+簡易書留 or 内容証明郵便
• 保存:すべての書面・メール・通話記録を残す
※この段階で「感情的に責める文面」は逆効果になります。法的トラブルを避けるためにも、一貫して冷静・丁寧な文言を使用しましょう。
ステップ③:保証会社への連絡(利用している場合)
家賃保証会社を利用している場合は、滞納1か月目の時点で連絡を入れましょう。保証会社が立替払いを行い、その後、入居者に対して督促・回収を行ってくれるため、オーナーとしての損失は一時的に回避できます。
※ただし保証会社の契約内容により、「立替時期」や「免責条件」が異なりますので、契約書を必ず確認しましょう。
ステップ④:内容証明での催告 → 明け渡し請求の準備
滞納が2ヶ月を超え、連絡も取れない場合、次の対応へ進みます。
• 弁護士監修で「契約解除通知」と「明け渡し請求通知」を内容証明で送付
• 滞納状況・記録・連絡履歴を全て整理
• 必要に応じて裁判所への明け渡し訴訟へ
このフェーズになると、専門家(弁護士や不動産会社)との連携が必須です。個人で動くのはリスクが高く、訴訟手続きの失敗で回収不能になる恐れもあるため、速やかにプロに相談しましょう。
よくある失敗パターンと防止策
失敗①:感情的に入居者を責めてしまう
→ 入居者が逆ギレして問題が拡大。冷静さと書面記録が命です。
失敗②:家賃保証を付けていなかった
→ 収入ゼロ・回収不能に。今からでも保証会社の導入は可能なので、検討をおすすめします。
失敗③:契約書が曖昧だった
→ 滞納や契約解除の条文が曖昧で、法的根拠が弱くなるケース。
→ 弁護士監修の契約書に更新するのがベストです。
実際の事例:滞納者対応で損失を最小限にしたケース
あるアパートオーナー様は、30代の単身入居者から2ヶ月分の家賃滞納が発生。最初は電話もつながりませんでしたが、
• 督促状を普通郵便+メールで送付
• 1週間後に保証会社へ報告
• さらに内容証明を送付
• 保証会社が立替支払い実行、本人に連絡
というステップを迅速に行ったことで、3ヶ月目には保証金が入金され、本人とも連絡が取れて明け渡し対応へと進めました。オーナーの損失は最小限にとどまり、「感情的に動かなかったことが功を奏した」との声をいただいています。
家賃滞納を未然に防ぐための3つの予防策
1. 保証会社の利用は必須(連帯保証人だけでは不十分)
2. 契約書を最新にアップデート(違約条項・通知方法を明記)
3. 管理会社と協力し、滞納発生時のフローを共有
まとめ|滞納対応は「スピードと記録」と「冷静さ」がすべて
家賃滞納が発生したとき、もっとも避けたいのは「何もせず様子を見る」ことです。初動を誤ると、滞納が長期化し、回収不能に陥るリスクが急増します。
「感情で動かず、冷静に記録と手順で対応する」
この基本さえ守れば、滞納リスクは最小限に抑えることが可能です。
家賃滞納対応のご相談はお気軽に
不動産投資の相談窓口カスタマーでは、滞納トラブルの解決支援や保証会社の選定サポートなどを無料で承っております。
「今の入居者が心配」「契約書が古いまま」「保証がないので不安」
という方は、お気軽にご相談ください。初回相談は無料です。

不動産業界に25年以上在籍。多くの不動産投資の問題を解決してきた、猫と温泉をこよなく愛する東京在住47歳。