〜放置されていた実家が、月10万円を生む賃貸物件に生まれ変わるまで〜

「親から相続した空き家、どうすればいいのか分からない…」
そんな悩みを抱える方は年々増えています。空き家問題が深刻化する中、適切に管理されずに放置された物件は、固定資産税だけがかかり、資産どころか“負債”と化してしまうケースも少なくありません。
今回ご紹介するのは、相続した築40年の木造住宅を再生し、収益物件としてよみがえらせた60代男性の成功事例です。限られた予算の中でいかに物件の価値を見出し、再生・収益化を成し遂げたのか、その道のりを詳しくお伝えします。
【登場人物】
• 相談者:新潟県在住の60代男性(定年退職後)
• 相続物件:実家(築40年の木造住宅・新潟市郊外)
• 当初の状況:空き家歴6年、屋根と外壁に老朽化、近隣に空室も多く賃貸需要に不安
相続物件は資産か、それとも負債か?
父親が他界したことをきっかけに実家を相続した相談者Aさん。長年空き家だったその家は、風通しも悪く、屋根からは雨漏り、床下には湿気の影響が。周囲からも「もう売るしかないのでは」と言われていたそうです。
しかし、Aさんは売却を選ばず、“収益化”という選択肢を模索しました。理由は、以下の2つです。
1. 年金だけでは老後の生活費に不安がある
2. 不動産はうまく運用すれば“生きた資産”になると考えた
再生への第一歩:「立地とニーズ」を読み解く
老朽化した建物をどう生かすか。その判断軸は、立地と需要です。
Aさんが相続した物件は、新潟市郊外の住宅地にありました。調査の結果、以下のような状況が分かりました。
• バス停まで徒歩6分、駅までは車で15分
• 近隣に大学があり、学生や教職員の賃貸需要が一定ある
• 周辺の家賃相場は5〜6万円台
Aさんは、物件の状態を「フルリノベーションしなくても、最低限のリフォームでニーズに合う間取りに整えれば、十分収益化できる」と判断しました。
費用を抑えたリフォーム戦略
物件の価値を引き出すには、無駄な改修を避け、最小の投資で最大のリターンを狙うことが大切です。今回のリフォームで行った主な工事は以下の通りです。
• 雨漏り修繕と屋根塗装:約50万円
• 畳の表替え+フローリング化(一部):約30万円
• 水回り(トイレ・洗面台)の交換:約40万円
• 室内クリーニング+クロス張替:約20万円
• 合計:約140万円(税別)
外観は古さを残しつつも、室内は清潔感と利便性を重視。和室を一部洋室にすることで若年層にも受け入れられる仕様にしました。
入居者ターゲットを明確に設定
リフォーム後の家賃設定は月5.8万円に設定。ターゲットは「大学関係者・単身世帯・シニア層」とし、以下のような施策を実施:
• 地元の不動産会社に専属媒介契約で仲介依頼
• 家具・家電付きの相談にも対応可
• 敷金・礼金ゼロで初期費用を抑えるプランを提示
リフォーム完了から約3週間で入居者が決定。入居後のトラブルもなく、安定収入を得る仕組みが出来上がりました。
【成功のポイント】60代からでも遅くない不動産運用
Aさんの挑戦が成功した理由は、以下の3つに集約されます。
1. 感情よりも「収益視点」で判断
「親の家だから売りたくない」ではなく、「この家が将来どう活用できるか」という冷静な視点で物件を見つめ直した。
2. 需要分析と最低限の改修
エリアのニーズを把握し、過剰投資を避けて必要最低限の改修にとどめたことが、収益性の高い結果に繋がった。
3. プロとの連携
地元の信頼できる不動産業者に相談し、適正家賃やターゲット設定などを戦略的に実行。自己判断に頼らないことで失敗リスクを回避。
【コラムまとめ】相続不動産は“負債”ではない
相続物件に対する多くの人の印象は、「ボロくて売れない」「管理が面倒」「税金ばかりかかる」というネガティブなものです。しかし、適切な知識と戦略さえあれば、相続不動産は立派な収益源になります。
とくに今後、相続が増える時代において、「物件再生×収益化」はシニア世代の資産形成手段として注目されています。
【無料相談受付中】
相続不動産でお悩みの方へ。
「売るしかない」と決めつけず、再生による収益化の可能性を一度ご相談ください。立地・建物状況・資金計画に応じた最適なご提案をいたします。

不動産業界に25年以上在籍。多くの不動産投資の問題を解決してきた、猫と温泉をこよなく愛する東京在住47歳。