不動産投資の豆知識

不動産投資、資産管理法人を使った節税とそのスキーム

はじめに:不動産投資と「節税」という永遠のテーマ

不動産投資を続けていく上で、多くのオーナーが直面するのが「所得税が高すぎる!」という問題です。家賃収入が増えれば増えるほど、個人の所得税や住民税の負担も大きくなっていきます。そんなときに検討されるのが「資産管理法人」の活用です。

では、法人を設立することで、どのような節税が可能になるのでしょうか?また、どのようなスキームが実際に効果的なのか?今回は、現場で多くの相談事例を受けてきた実務家目線で、実践的な節税手法を解説していきます。

資産管理法人とは何か?

資産管理法人とは、簡単に言えば「不動産を管理・運営するためだけに設立する法人」のことです。通常、株式会社や合同会社として設立され、賃貸物件の所有・管理・修繕・契約業務などを行います。

主な目的は以下の3つです:
 1. 所得分散による節税
 2. 経費計上の柔軟性
 3. 相続・贈与対策としての活用

なぜ法人を活用すると節税できるのか?

理由①:税率の差を利用する
個人所得税の最高税率は45%、加えて住民税10%で最大55%になります。一方で、法人税は所得800万円以下なら約23%程度に抑えられます。この差がそのまま節税効果になります。

理由②:役員報酬という形で所得分散が可能
たとえば、夫が法人の代表、妻が取締役として報酬を受け取る場合、家族で分散して課税されるため、トータルの税率が抑えられます。

理由③:経費として認められる範囲が広がる
法人では、出張費、交際費、通信費、事務所家賃など、個人での申告よりも多くの経費が正当に計上できます。これも大きな節税ポイントです。

よくあるスキームの紹介

スキーム①:個人所有物件を法人に転貸
個人が所有する不動産を法人に貸し出し、法人がそれを第三者に再度貸す「サブリース型」。この方法は、法人に利益を移転できるため、個人所得の圧縮に有効です。

メリット:
 • 所得の分散
 • 管理業務の法人化による経費化

注意点:
 • 「実態」がないと税務署に否認されるリスク
 • 契約や賃料設定の妥当性を示す必要あり


スキーム②:法人で新規に物件取得
既存の物件は個人のまま保有しつつ、新たな物件は法人で購入。これにより、将来の収益増に対してあらかじめ法人税ベースでの節税が可能です。

メリット:
 • 将来的な収益拡大に対応
 • 融資も法人ベースで展開可能になる

注意点:
 • 法人での融資審査はややハードルが高い
 • 設立後すぐの実績が求められるケースも

法人化のタイミングはいつがベスト?

明確な「このタイミングが正解」というものはありませんが、以下のいずれかに該当すれば、検討すべきサインです:

 • 年間の所得が900万円を超えた
 • 所有物件が3棟(または10戸)以上ある
 • 将来的に家族に継承を考えている
 • 経費計上の幅を広げたいと感じている

資産管理法人の設立手順とコスト

設立費用:
• 株式会社:約25〜30万円
• 合同会社:約6〜10万円

年間ランニングコスト:
• 法人住民税(最低でも7万円)
• 税理士報酬(10万〜30万円/年)
• 会計ソフト、印紙代、登記変更費用等

コストは確かにかかりますが、節税効果で元が取れるケースが非常に多いです。

実際の成功事例

事例①:会社員・年収950万円のAさん
 • 1棟アパートと区分所有3室を所有
 • 年間家賃収入:約1200万円
 • 法人化により、所得税・住民税が年間約80万円軽減

事例②:家族経営のBさん
 • 奥様を役員に据え、月額10万円の役員報酬を支払う形に
 • 社会保険にも加入
 • 将来の相続税対策にも有効活用

注意点:節税だけが目的ではダメ!

税務署は「節税=脱税」にならないように厳しく監視しています。法人として実体があり、しっかりと業務を行っていることが前提です。適切な税理士や専門家と連携することが重要です。

まとめ:中長期視点での「攻めと守り」の節税戦略

不動産投資は「税金との戦い」といっても過言ではありません。その中で、資産管理法人を使った戦略は非常に強力な武器となります。ただし、設立して終わりではなく、長期でどう活用するかが鍵です。

不動産投資における節税は、「お金を残す力」を磨く最善の方法。あなたも、将来のために今から動き出してみてはいかがでしょうか?

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