これはInternal Rate of Returnの略で対象の不動産に投資すべきかどうかを判断します収益指標の一つになります。またの名を内部収益率とも言います。
不動産の利回りはわかりますか?
一般には何も表記が無い場合は表面利回り(グロス)を意味します。
これは年間の家賃収入÷物件の取得価格で算出できます。
例えば年間家賃が1,200,000円で物件の取得価格は30,000,000円としますと4%つまりこの物件は利回りが4%となりますね。
この表現には必要な経費が組み込まれていないため投資の本来の経費が組み込まれていないため実質とはかけ離れてしまう問題点があります。それを組み込んでみますと
(年間の家賃収入ー年間の必要経費・税金)÷物件取得価格で算出されるのが実質利回り(NOI利回り)です。
(1,200,000-管理費修繕積立金72,000円-集金代行手数料60,000円-固定資産税60,000円)÷30,000,000=3.36%となります。
実際の費用まで計算に入れることが出来ますが1年以上先の将来的な家賃変動までは考慮されない欠点もあります。
投資案件ではお金の価値は時間によって異なることえお認識下さい。
例えば今の100万円と1年後の100万円は価値が異なること。
最終的に受け取る利益は同じでも早く利益を確保出来るほど案件の収益力が高いと判断されそれをIRRは高いと表現します。
割引率という考え方があります。
将来のお金の価値を現在のお金の価値に換算する際の利益の事です。
将来のお金の価値は不確定な要素があるため価値を低く見ますためお金の価値は現在が一番高く時間の経過に伴い価値は下がる傾向はあるものの運用で得られる利益によって時間的価値が生まれるため利益を出すことは可能になります。
例ですが100万円を3%で運用すれば1年後には103万円に増えています。(税金は考慮せず便宜上こうします)これは年間3%で運用するという前提があるため現在の100万円と1年後の103万円の価値が同じになるためです。
投資案件では将来のキャッシュフローを予測するときは時間軸のお金の価値を考慮し現在の価値に割り戻す必要がありここで使われるのが割引率です。
現在のお金の価値とN年後の将来価値を計算する換算式は下記の通りです。
r割引率・n乗の意味
現在の価値=将来の価値÷(1+r)n
1年後のキャッシュフローが103万円だと仮定しますと。
3%が割引率となります。
単利では100万円預け年利2%で3年間運用しますと
初年度2万円・2年目2万円・3年目102万円になります。
IRRの計算は手計算ですと複雑になりますがエクセルのIRR関数を使うことにより瞬時に自動計算が出来るようになります。
IRRは初期投資額、保有期間中の収益、売却価格の3つの数字が考慮されています。
同じ利益をあげている案件でも早くお金を回収できる方がIRRが高いので価値の変動が考慮できます。
自己資金を少なくすれば投資金額を抑えられるため資金回収を早めることが可能になります。これは不動産投資の案件を精査する際には有効とされるでしょう。
また見込まれる収益と投資金額のみで算出されるので客観的利用できます。
IRRが高いほど収益率が高いのでそこに投資する方が効果的です。
このような物件の特徴としましては
早期にキャッシュフローが得られる物件・融資が付きやすく自己資金が少なく済む物件・資産価値が下がりにくく高値売却できる物件
自己資金を抑えられると資金回収が早くなるため早期にキャッシュフローが得られる状態になるためIRRが高いと考えられます。
築古アパートは耐用年数が過ぎてますと初期の数年間で減価償却費が多く出ますので税金還付によりキャッシュフローがプラスになりやすいです。
資産価値が下がりにくい物件は売却額が高いためIRRも高い傾向があります。
保有期間のキャッシュフローが良くても最終的に売却価格が低いとIRRは下がりやすいでしょう。
駅近や利便性の高い物件や人口が減りにくいエリア、安定した人気のエリアの物件は価値が下がりにくい傾向があります。
不動産投資におけるIRRの目安は10%以上と言われておりますが物件ごとに構造、立地、築年数、スペックが異なるためケースバイケースであることから必ずしもこれが当てはまるわけではないことがあげられます。
また収益率に特化しているため規模の把握は出来ません。
不動産投資に限らず投資全般に於いて最大の利益を目指すことが重要です。
IRRが低いからと言いまして物件が良くないではありませんのでこの数値に拘るのではなくあくまで指標として活用することです。
IRRが高い物件程投資リスクも高めであることがあげられます。
借入をして自己資金を減らした場合はIRRは高まります。
フルローン程IRRは高くなる傾向があります。
IRRが高い優良投資案件に見えましても実際はハイレバレッジの高リスク案件であるケースもあります。
様々な指標の一つとして捉えて頂ければと思います。
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